エアコン暖房は風向を「下向き」にせよ!~エネルギーオタクが独断で語る最強のエアコン術①

投稿者: | 2024年12月26日

寒い日が続き、光熱費がかさむ冬。エアコンの電気代を気にして、薄寒い部屋に不満を覚えながら過ごしている人も多いだろう。そこで本シリーズでは、電力工学の分野で修士を取得し、毎年エアコンの制御について物思いにふける筆者が独断で実践する「最強のエアコン術」を紹介していく。

暖房は風向きを「真下」にしよう!

突然だが、暖房時の風向きはどうしているだろうか? 乾燥した風が不快で「水平」にしている人、部屋全体に行き渡りそうだから「スイング」にしている人、そんな設定知らないよ!という人、筆者は色々な人を見てきた。

そんな彼ら彼女らから節電について問われたとき、筆者が伝えるのはただ一つ、「暖房の風向は真下」である。筆者に言わせれば、エアコンの風向選択ボタンなど不要だ。暖房は真下。ただそうやって動かせばよいのだ。

暖房運転時は風向を「下」に設定しよう

設定方法は?

リモコンで「風向」や「風向上下」と書いてあるボタンを押して、表示部のマークを真下にするだけである。

ときどき、「風向」ボタンを押すと室外機のルーバーが上下に動き始める機種もある。その場合、動き始めたルーバーが真下に来たタイミングでもう一度ボタンを押すことで、押した位置でルーバーが固定される。

リモコンの「風向」ボタンを押すだけで誰でも設定できる(写真:photoAC)

なぜ真下なの?

エアコンの風が水平に吹き出していると、天井付近に暖かい空気が流れ込む。暖かい空気は軽くて上昇する性質があるので、天井にとどまってしまい、人が過ごしている場所までなかなか降りてこない

さらに具合の悪いことに、室温を検知するセンサーは室内機本体にあるので、天井付近の温度だけを測って「設定温度に達した」と判断し、パワーを弱めてしまうのだ。当然、人のいる場所は寒いままなので、部屋にいる人は設定温度を上げて何とか暖まろうとする。その結果、天井付近の空気を無駄に暖めてしまい、余計な電力を食ってしまうのだ。

一方、風向を下向きにすれば、まず人の過ごす床付近まで暖かい空気が届く。暖かい空気は軽いので、床付近に届けば自然と上昇し、暖かい空気が部屋全体に行き渡る。天井と床の温度差が減少し、低い設定温度でも人のいる場所が暖かくなるのだ

実験結果は?

本来なら筆者が体を張って実験し、結果を示すのが筋だが、残念ながらそれはできなかった。エアコンの妹としてこの世に生を与えられた筆者は、物心ついたときから暖房を下向きで動かしており、風向水平時の室温を記録しようなどと考えたことすらなかった。筆者が寒い思いをしながら無駄に電気を使うのは兄に申し訳ないので、誠に勝手ながら実験は遠慮させていただく。

読者の皆様におかれては、エアコンの風が不快でない範囲で風向を真下に設定し、省エネで快適な冬を過ごされることを願ってやまない。

(おことわり:筆者はエアコンメーカーとは何の関係もない普通のエンジニアであるから、紹介した内容には誤りがあるかもしれないし、エアコンメーカーの推奨しない使い方を掲載しているかもしれない。もし本記事の内容を実践し読者の電気代が上がっても、筆者は責任を負わない)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です